第四間氷期 (安部公房)
Четвёртый ледниковый период(Кобо Абэ)
主人公勝見博士が発明した「予言機械」によって、地球に将来第四間氷期が訪れ、人間はその環境に適応するために「水棲人間」になる、という予言がなされます。筋書きはまあ置いといて、小説の序盤に語られた次の一言が気に入りました。開発途中の「予言機械」に対して、世間が好き勝手に評価することへの皮肉です。
世間が幾本の柱で支えられているのかは知らないが、すくなくもその中の三本は、不明と無知と愚かさという柱らしい。(文庫p16)
Не знаю, на скольких столбах держится мир, но по крайней мере три из них - это, наверное, темнота, невежество и тупость.
- столб 柱
- темнота =тьма 闇・曖昧さ・無知
- тупость[ж] 切れ味が悪いこと・愚鈍 ←тупой 鈍い・愚かな
この作品が雑誌『世界』に連載され始めたのが1958年、ちょうど50年前です。まったく驚かざるおえません。いったい安部公房って・・・
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